第二回 建設業界と派遣業界の展望

第二回 建設業界と派遣業界の展望(2014年11月)

 

今回は3回目ですがタイトルでは第2回目となります。今後はこちらの番号でいきますね。さっそくインタビューをお願いしたいと思います。


 

はい、よろしくお願いします。


 

今回は業界ネタですが、建設業界は現在の「活況」について、今後どう見られていますか?


 

東日本大震災の復興事業と東京オリンピック招致に伴う都内の施設やインフラ整備、そして、南海トラフ地震対策など公共事業を中心に建設業界は、活況を呈しています。

 

しかし、これらは一過性のもので、長くても今後5〜6年までがピークで、その後は、大きな反動が起こると予想されています。建設業はもともと10年スパンで景況と不況を繰り返してきた業界ですから、好況に浮かれているゼネコンは少ないと思います。

 

スーパーゼネコン以外のゼネコンは、好況時に得意分野の営業展開強化や東南アジアやアフリカなどへの海外展開を進めています。地場中小企業でも、海外進出や得意分野(儲かる仕事を確保する動き)を積極的に進めていかなければ生き残れないと思います。

 

不況になった時、赤字でも受注といった企業はほとんどなくなるでしょう。倒産件数が史上最少と言われている現在でも、年間1500件以上の建設会社が倒産しているのですから。


 

それでは、小売りではパート・アルバイトの人員不足、建設業界は特に人手不足が深刻ですが、どう見ていますか?


 

有効求人倍率が跳ね上がっています。特に建設業界は完全に売手市場です。ある意味バブルだと思います。東北地区や東京地区では、役所の技術者が不足していて、土木設計・開発技術者の募集を大々的に行っていますが、その内容を見てみると契約社員(期間限定)が多数なんです。

 

先ほども言った通り、5〜6年でピークを迎えるため、役所の雇用期間終了イコール建設業界不況の波が押し寄せてくる可能性があります。タイミングを計って安定した転職先を探す必要があります。
また、アベノミクスの影響から、スーパーゼネコンの社員の年収が上がっていますが、建設不況を迎えた時にその反動で、現在高値にある下請け企業への価格競争が起こりうると思います。専門業者や地場企業ではまだ様子見といったところでしょうか。

 

しかし、バブル崩壊後、リーマンショック以降、建設業界の平均賃金は下降し続け、製造業よりも下になっています。
そのため、建設業界への新卒学生が敬遠していては、業界全体の衰退にもつながりますので、建設業界の平均賃金が上昇してくれることを願っています。また、上場企業では、中途採用に注力しています。

 

現在は、採用のハードルを下げても増員しなくては、現場が立ちいかないこともあり、積極的に採用活動を行っています。
しかし、雇用条件は、契約社員や地域限定社員が多く、将来の建設不況時にリストラしやすい予防策を張っている感がぬぐえません。


 

アイマックスの今後の方向性についてお聞かせください


 

現在、建設技術者派遣の要請は、過去最高レベルの受注数になっています。
しかし、顧客の意見を聞くと、「技術レベルが低いので解約と入れ替えの繰り返しが多発している。

 

派遣会社のレベルが低く、要望する技術力を営業が把握できていないためミスマッチが多発、派遣会社の信用低下が起き、派遣価格を下げて様子見しなくてはならない」という声が聞かれます。

 

派遣会社も「人さえいれば・・・」という考えで、技術力の精査がおろそかになり、経歴書を顧客に判断させ、言いなり営業が増えてきていると聞きます。ある応募者が言っていたのですが、退社意思を会社に伝えたところ、派遣会社から「契約期間が終わるまで退社を許さない。退社したら損害賠償請求する」と脅されたというのです。

 

仕事の責任感として、現場を途中で離れることは、技術者としてつらいことは本人もわかっているはずです。退社したい理由があるはずです。
その「人として」のヒアリングができていない派遣会社も多くあることはよく言われています。建設バブルの現在、そういった悪質な派遣会社も増えてくるでしょう。

 

技術レベルで言えば、今は技術力が低くてもなんとか仕事に就けるのですが、今後はと言うと心配な面もあります。現場では忙しくて日々謀殺されますが、地に足を着けて「自分の弱点を補う、技術レベルを更に磨き上げる」意識を持つことが重要になってくると思います。

 

アイマックスは、本人の要望と技術力のマッチングに注力し、この時期だからこそ、様々な現場を経験してもらい、スキルアップを図るための配属を重視しています。また、第二新卒や建設系学科卒の未経験者に対しても、現場配属中の社員の下、経験を積ませたり、施工管理・測量の外部研修を実施していきたいと取り組んでいます。
どんな不況が起きても建設派遣の要請は必ずあります。そして生き残る技術者・派遣会社は決まっているのです。柔軟な発想と確かな技術力を持った技術者、協調性や人間味豊かな技術者、信用のおける経営をする派遣会社しか生き残ることはできないのです。今後も社員の声に耳を傾け、社員、顧客に信頼される企業経営を目指していきます。


 

分かりました、本日はありがとうございました。


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